講演会

カミングアウトと家族のこと

講演のあとに、レズビアンの方が「お父さんが受け入れてくれない」と相談してくれました。私は「カミングアウトは点ではなくて線だから、すぐには難しくても何年か先にはわかりあえるかもしれない」という主旨のことをお話ししました。

でも帰宅して思い直しました。

お父さんがセクシュアル・マイノリティを受け入れる・受け入れないは、究極的にはお父さんの問題です。家族であっても相手を変えることはできません。だから、残念だけどその現実を受け入れて、その人との関係を続けるのか、離れるのかを選択することも必要かもしれません。

「ラクダを水飲み場まで連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」

私は「わかってほしいラクダさん」の口をこじ開けてでも水を飲ませようと、悪戦苦闘したことがあります。

でもそれはダメです。

家族であっても人を変えることはできません。ですが、大人になれば家族は選べます。広い意味で家族は選べるし、作れます。血がつながっている人だけが家族ではありません。これまで家族だった人だけが家族でもありません。まだ出会ってない人と家族になっていくこともあります。私はありました。

不思議なことですが、私は両親との泥仕合を手放したら、新しい家族がたくさんできました。法律だったり、血縁だったりではつながっていないので、「そんなの家族じゃない!」と言う人があるかもしれませんが、気になりません。その人たちといると私は本当に幸せだからです。

親子がうまくいかないこともたくさんあります。親子がうまくいけばそれが一番いいけど「何が何でも絶対にうまくいかなきゃいけない! 親子なんだから!」ということもないかなぁと思います。
それよりも、自分の人生を自分らしく、自分の力で生きることを大切にしてよいのではないか? と思います。

もちろん、自分の人生を自分らしく、自分の力で生きていく中で、両親と分かり合えるようなったら、それはとても素敵だと思います。私もいつかそうなれたらいいなぁと思います。そういう意味では、「カミングアウトは点ではなくて線だから…」というのも、本当です。

家族の問題は本当に難しいよね。。

通りいっぺんの答えをしてしまったので、改めてよぉく考えました。
相談してくださって、大切なことに気づきました。ありがとうございました。
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レズビアン的結婚生活
東小雪+増原裕子
イースト・プレス
2014-01-17


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ABOUT ME
東 小雪
元タカラジェンヌ/LGBTアクティビスト。「Tokyo SuperStar Awards」コミュニティ賞を受賞。東京ディズニーシーで初の同性結婚式を挙げる。渋谷区パートナーシップ証明書交付第1号。(2017年12月に離婚)LGBT、女性の人権、自殺対策について講演や執筆など幅広く活動し、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」、NHK Eテレ「ハートネットTV」などメディア出演多数。著書には、『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』『同性婚のリアル』など

POSTED COMMENT

  1. 昔バレエが一緒でした より:

    小雪ちゃんの言ってることは全て理解できるし頷けます。
    私が今から言うことは何て言っても伝わらないかもしれませんが、、、小雪ちゃんが親になったら理解してもらえる日がくるかも。小雪ちゃんが親になって子供との親子関係で同じような我が子を理解できなかったり受け入れられなかったり(逆に我が子が小雪ちゃんを理解できなかったり受け入れられなかったり)した時に理解してもらえるかもしれませんが。
    現在親子でも理解できなかったり受け入れられない親子って沢山いると思うし、小雪ちゃんの人生は本で拝見したので小雪ちゃんの言い分も分かります。
    でも世の中の親がみんな小雪ちゃんのご両親のような感じではないと思うし、理解し合えない場面に出くわした親子の中にはそれ以前の部分で今まで与え与えられてきた愛情、家族愛ってある場合もあると思います。親子だからって一番の理解者になれるわけではないけど、やっぱり親子だからこそ投げ出さずに向き合い続ける勇気やしんどさも時には必要かなと(*^^*)
    と、いうのも、私の両親は私たち子供に今まで絶え間ない愛情を注いでくれました。しかし弟はきっと本心では、世代交代、自分は一人で大人になった、大人になればもう親は必要ない、、、そんな気持ちなんだと思います。
    私は、今2児の親になりましたが、我が子がそんなだったら悲しすぎます。
    親からすれば分かり合えなくても子供は子供。自分の命より大切☆って思ってる親もいます。まぁ、それが独りよがりの押し付けだと言われればそれまでですが(^^;だからケースバイケース。だから冒頭で言ってた点ではなく線がやっぱり正しいのかなと思います。
    最後に、私は、小さい頃すごく可愛かった小雪ちゃんに憧れてましたよ(*^^*)

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