東小雪の日々

レズビアン的結婚生活の新たな悩み

レズビアン的結婚生活もまもなく2年目。このブログが、ではなく、リアル結婚生活の方です。
ほんの少し「コツ」がわかってきました。

例えば、お味噌汁のカブが生煮え(ほとんど生!)だったら「煮くずれしてなくて、いいね」と言い、
塩鮭が焦げて出てきたら(真っ黒!)「よく火が通ってて、安心」と言う。

そして残さず感謝して食べる! ←これ、大事。

「火、通ってないよ!」とか
「焦げてて食べるとこないじゃん!」とか言わない。
鮭やらカブやら、家事のやり方など、たいしたことではないのです。
大好きな相手と楽しい時間を過ごせなくなってしまう方がよっぱどもったいない。

相手が疲れて帰ってきて、そのササクレだった心のとげがあやうく自分に刺さりそうになったとしても、
「おつかれさまやったね。お茶入れようね」と言って、肩の一つも揉む。 ←これ、大事。

「私には私の仕事のペースがあるんじゃ!」とか言わない。
言ってしまって、お互いの心が痛むような状況で仕事をする方がよっぽどしんどい。

愛している相手であっても、違う感覚の他人であること。大好きなその人と暮らしていくには努力がいること。ルールとかマナーとか、ちょっとした心遣いとか、「コツ」をつかむこと。

「あなたは正しくありたいの? それとも幸せになりたいの?」

正しいことはいいことで、いつも正しくないといけないと思っていました。そんなんでは息が詰まりますね…。

今すぐには変えられなくても、ふたりで良くなっていくと信じられたことは、時間がかかっても必ず良くなっていく。
結婚したこの人と、できるだけ長く幸せに生きていきたいから。日々成長(していたらいいな)。

☆☆☆
そんな私が最近感じている困ったことは、レズビアンの夫婦のモデルが圧倒的に少ないことです。

例えば、お互いのキャリアのどちらか一方しか選択できない場合、男女の夫婦とレズビアンの夫婦では違ってくると思うのです。(引っ越しとか単身赴任とかね。)
お嫁さんの仕事に合わせる旦那さんはまだまだ少数派でしょうし、いらっしゃってもまわりからは「理解のあるいい旦那さんね!」とか言われるでしょう。(同じ選択を女性がしてもそれは当たり前で、「理解のある奥さんでよかったね!」とはならないはずです。)

…レズビアン夫婦の場合、旦那さん、どっち?

ふたりとも子どもを産む場合、産休育休、どうするの?
同じジェンダーの夫婦の場合、パートナー間の経済的なバランスと関係性のバランスって、折り合い付けるの難しくない?
レズビアンカップルの専業主婦率ってどれくらいなの?
「下方婚」とかないじゃない?
浮気とか、よくあることなの?
家族の集まりに「嫁」は行くの? 行かないの?

男女の場合はそういった人生やパートナーシップに起こる問題は、テレビをつければドラマとして、書店に行けば小説として、いろいろあると思うのです。もちろん、身近にも自分たちと似ている夫婦がたくさんいて、相談したり共有したり共感したりしやすいのではないかと思います。

レズビアンも、例えば親へのカミングアウトの問題など、「レズビアンとしての経験」は、蓄積&共有されつつあると思います。でも、「レズビアン夫婦の経験」って、まだあまりないと思うのです。

テレビで「仰天夫婦特集!」とか組めるのは、「普通の夫婦はこんなの」って、共有されているからで、レズビアンの夫婦はレズビアンってだけで仰天されてしまって、そこから先にあんまり話が進まない。

違うジェンダーの人同士でパートナーシップを築くことが大変なように、
同じジェンダーの人同士でパートナーシップを築くのもまた大変。
どちらもふたりっきりで生きるのではなくて、社会の中で生きていくのだから、夫婦関係とジェンダーって大事な問題のはずなのに、レズビアン夫婦の経験って、あんまり共有されていないのよねぇ…。

むかし雑誌の恋占いを、異性のところに同性と当てはめて読んでた感じ。の、夫婦版。

だからこそ『にじいろガーデン』(集英社)や『ミドリのミ』(講談社)に、LGBTの家族が物語として登場してくれたことは画期的だったのです。

にじいろガーデン
小川 糸
集英社
2014-10-03


ミドリのミ
吉川 トリコ
講談社
2014-06-19


しかし、自分で言うのもなんですが、レズビアンが「差別や偏見以外」に悩み始めたことは、実は画期的なんじゃないかと思います。

マイノリティで大変なことももちろんあるけれど、生きていれば人として普通に大変なのよね。

2014-12-31-14-03-24

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レズビアン的結婚生活
東小雪+増原裕子
イースト・プレス
2014-01-17


■『ふたりのママから、きみたちへ』


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ABOUT ME
東 小雪
元タカラジェンヌ/LGBTアクティビスト。「Tokyo SuperStar Awards」コミュニティ賞を受賞。東京ディズニーシーで初の同性結婚式を挙げる。渋谷区パートナーシップ証明書交付第1号。(2017年12月に離婚)LGBT、女性の人権、自殺対策について講演や執筆など幅広く活動し、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」、NHK Eテレ「ハートネットTV」などメディア出演多数。著書には、『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』『同性婚のリアル』など

POSTED COMMENT

  1. poala より:

    夫婦間の大事な心がけ、一時は悩んだものの、私も最近学んできています。ポジティブにハッピーに持っていくのは大切なことですね(^ ^)
    “レズビアン夫婦”や”マイノリティ”という言葉自体が必要なくなればいいですね。
    そういう言葉があるから、そこに属さない大半の人達に驚かれてしまう。当事者達が、そういった言葉を使わずに広めていった方が自然と浸透していくような気がします。そもそも、異性愛者を”ストレート”とも言いますが、変じゃありませんか?言葉の中に隠されている意味が、人々の心理を「それが正しい」という位置づけに持っていっているような気がしてなりません。
    “少数派”という言葉を当事者達が使うことによって、自分達が自分達を型にはめ込んでいるような気もします。
    私達のような家族はきっと探せばたくさん存在するでしょうし、今に始まったことでもないと思います。日本も法整備が追いつくといいですね。

  2. ぶるーらい より:

    私の世代になると、10年20年続いてるカップルのほうが多数派なので、寄ると触るといろんな話しているけどね。
    むしろ「まさかの40代50代で独り身に!どうやって新しい伴侶を探す?」みたいな話題のほうが切実だったり(笑)
    年齢層の幅の広いコミュニティに属してみるとかで、ロールモデルは意外と見つかる気がしますよ。
    物語の中にロールモデルを見つけたい、というのはまた立脚点が違うのかな、と、物語産業従事者セクマイとしては感じます。

  3. guuyuki より:

    はじめまして。
    わたしには、いま付き合って半年の
    女性のパートナーがいます。
    付き合ってすぐ同棲をしています。
    ゆくゆくは、結婚ができたらよいなとぼんやり思っています。
    お互い、助産師ということもあり、お互いのもつ知識をフルに使い、子どもを授かれたらいいねといった話をしています。笑
    小雪さんの言う通り、周りに例が少ないことや、基準のようなものがないことで、私も悩むことが多くあります。
    やはり、まだまだLGBTにとって生きにくい社会であるなと日々感じています。
    そんな中で、小雪さんやひろこさんの発信してくださる情報をいつも拝見させていただいて、勇気や励ましをもらっています。
    今後も応援しています。

  4. あさみ より:

    女が男に合わせて生活するのは当たり前という手本も個人的にはもううんざりですww(^_^;)
    すべての人間が多様で当たり前になったらいいなと思います。

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